「抗菌」「抗カビ」かないまへん

 「昭和の時代」は影も形もなかったのに、今ではテレビコマーシャルでもネットショッピングでも、「抗菌、抗カビ、抗ダニ効果のある家電・洗剤」の花盛りです。

 もともと人類は旧石器時代から現代まで、常に菌やカビ、ダニに囲まれて生活しており、体内にも沢山の菌が生存しています。身の回りにいる菌やカビの中で人間の健康を害するものは僅かなのに、「完全駆除」しないと気が済まない人が増えています。

 10年くらい前に見た「アレルギー疾患をテーマにしたテレビ番組」では「戦後は上水道の普及、トイレの水洗化や洗浄力の高い洗剤の発明により、家庭内や職場の環境が清潔になりすぎ、それがアレルギー体質の増加の一因にもなっているので、極端に清潔な環境は体によくない」などという論調がありましたが、最近とんと聞かなくなりました。

 それどころか、小学生の中には「学校のトイレはウォシュレットじゃないので入らない」と言って便意を我慢する子がいるそうです。物心ついた頃から「抗菌、抗カビ対策」を実施し「ウォシュレット」を使ってきた人は、それらがない国では暮らすのは絶対無理でしょう。

 菌やカビ、ダニをあまり気にせず生活してきた小生としては「長い長い付き合いの御三方をいじめまくると、きっと強力な仕返しをするに違いない」と常々恐れているのですが。