2020年2月

 日々の出来事や写真、過去の小文、その他諸々を取り上げます。
 表題はホームページのタイトル候補だったのですが、咽(喉の上の方)、喉(喉の下、首のあたり)ということで落選しました。しかし因業に音が同じなので、わがままでかたくなな性格の自身にふさわしいと思い表題に復活させました。

中央日報のコラム

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グローバルアイ「私たちをそっとしておいてくれ」=韓国


                                                                  中央日報/中央日報日本語版2020.01.28

 日本で年末年始を過ごす楽しみの一つはテレビのスペシャルドラマを見ることだ。今年最も期待を集めたのは韓国にもファンが多いモッパンドラマ『孤独なグルメ』だった。1月1日に放映された特別編で、主人公の五郎は急な出張のため釜山(プサン)飛んだ。日本各地だけでは飽き足らず、海の向こうの韓国にまで足を伸ばした。
 職業が雑貨屋の主人公は、以前も韓国に行ったことはあるが、この渦中に釜山行きとは…なぜかうれしかった。福岡港で快速船に乗って2時間で到着した釜山。主人公は「うどんは韓国でもうどんと言うんだな」「この味は日本では食べられないだろう」などと独りごちながら釜山を満喫した。東京のコリアンタウンである新大久保には、すでに主人公が食べた「ナッコプセ〔ナクチ(タコ)・コプチャン(ホルモン)・セウ(エビ)が入った寄せ鍋〕」メニューの写真まで登場したという。
 NHKで特別編成したドラマ『心の傷を癒すということ』にも目が行った。主人公は在日韓国人の医師である故・安克昌氏。約6300人が亡くなった阪神・淡路大震災から25年を迎え、当時被災者を献身的に世話した彼の生き方にスポットを当てた。
 彼は出身を越えて日本人から広く尊敬を受けた。災害直後の対処、避難所と仮設住宅の生活、救助隊員の精神的ケアなど、当時その概念さえ新しかったPTSD(心的外傷後ストレス障害)治療が2000年代以降活発に行われ始めたのには安氏の役割が大きかった。
 劇場街では一歩遅れて公開された映画『パラサイト 半地下の家族』がブームとなっている。「ポン・ジュノ-ソン・ガンホ」コンビは多くの固定ファンがいるが、「アカデミー効果」で韓国映画に全く関心がなかった人々までファンに引き込んでいる。
 あるカフェでは映画の中に出てくる「韓牛チャパグリ」(注)メニューが登場している。(注:チャパグリは庶民的なインスタント袋麺の「チャパゲティ」と「ノグリ」をミックスしたもので、「韓牛チャパグリ」はこれに高級具材の霜降り肉を入れたもの。)
 ポン監督の熱烈なファンだというカフェのオーナーが公開前から特別メニューを苦心していたという。韓牛とチャパグリの不釣り合いな組み合わせの中に隠されている韓国文化の奥深さを、日本人がどれくらい理解できるか分からないが、週末には列に並ばないと食べられないほど人気だともいう。
 昨年7月以降、韓日関係は歴代で最も悪化した。政治と外交から始まった葛藤が、経済や文化など全方向的に拡大した。地方自治団体長が率先して青少年交流を中断させ、大学教授が率先して学術交流への不参加を宣言して「反日隊列」に賛同し参加した。
 だが、韓日関係が難しい状況でも市民は交流を絶やさなかった。政治や外交とは関係なく相手を心配し、変わらず好奇心を持ち続けた。
無理に止めようとしても止められないのが文化の力だ。ある放送局関係者は 「韓国コンテンツの人気には変化はない」としながらこのように話した。「政治でも外交でも何でもいいが、とにかく私たちをそっとしておいてくれ」と。

ユン・ソルヨン/東京特派員

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 昭和の終わり頃から平成の初めにかけて、小生は毎年のように訪韓していましたが、その後、趣味が変わり、とんと足が遠のいてしまいました。
 その代わりといってはなんですが、朝鮮日報、中央日報、東亜日報、聯合ニュース、ハンギョレ新聞など「韓国誌日本語サイト」の記事やコラムは、ほぼ毎日チェックして韓国の現状を認識しようとしています。
 それらの中では歴史資料を分析・活用した重厚なコラムを執筆する朝鮮日報「鮮于鉦記者」の論調が気に入っていたのですが、社会部長に出世して忙しくなったせいか、執筆間隔がすっかり間遠になってしまいました。
 日本語も堪能な上、テレビ映えするイケメン記者なので朝鮮日報を定年退職したら来日して、コラムニストやコメンテーターとして活躍していただけるといいのですが。
 ところで、ユン・ソルヨン特派員を含む中央日報の記事やコラムは朝鮮日報に比べるとかなり反日傾向が強かったのですが、上記のコラムの「最後の3行」はずいぶん控えめで冷静な論調です。
 確かに私の知合いの「韓流大好人間」も「嫌韓ニュース」や「不買運動」もどこ吹く風で、度々韓流ショップに出かけていますし、韓流スターのイベントやコンサートのために訪韓する人数は、航空運賃が安くなったこともあり、一昨年よりも増加したとか。
 しかし、国内にも韓国にも多数側に迎合し、「韓流」や「日流」に文句をつけ、道徳だの倫理など御託を述べている「おっさん勢力」も存在しています。
 「おっさん」達は「ハーレムのボスを目指してあくなき戦いを続けるトドの末裔」で、本当は「トドの境遇」を希望しているのですが、近代社会では、多数の側室を囲って好き放題できるのは、数少ない特殊な国だけですので、とりあえず「権力」を得ようと努力してきました。
 亡父は太平洋戦争中、商業学校で非常勤の仕事をしていましたが、校長が、週初めの朝礼で生徒や教員、職員を運動場に整列させ1時間近く軍国主義の重要さを訓話するのには閉口したそうです。
 在職中の昭和20年1月に応召しましたが、敗戦とともに復員し、同校に復職しました。丁度、復帰当日、朝礼があり、件の校長が「進駐軍が日本に民主主義を広めてくれるのは素晴らしい」と褒め称える訓話をするのを聞き新喜劇のギャグよろしく「こけかけた」そうです。
 戦時中はファシズムの嵐が吹き荒れていたので、校長が軍国主義擁護の訓話をするのもやむを得ないことですが、敗戦により体制が変わったのですから、反省しておとなしくしていればいいものを「おっさん」は「権力」を何より欲するので「このままでは終われない」とばかりに、かつての主張を億面なく捨て、民主主義を賛美することで「権力」にしがみつこうとしたのでしょう。
 しかし、変節の甲斐もなく「民主主義化した教育委員会」によって、平教員に降格され、校長室を追い出されてしまうことに・・。
 「おっさん」は昔から「こずるく」「恥知らず」で「信念」がありません。渡り鳥のように政党をころころ変える国会議員などは「おっさん」の代表と言えるでしょう。
 先日もテレビで「日韓関係が悪化しているのだから韓流ファンをやめろ」と「韓流ファン」に難癖をつけているおぞましい「おっさん」が放映されていました。

 しかし、最近彼らの意向に反して、不買運動で閑古鳥が鳴いていた「日本行の航空便」の搭乗者が増加し、観光地で韓国語を聞く機会も増えてきました。
 ユン・ソルヨン記者も「おっさん」達に負けず、しぶとく頑張る「韓流ファン」「日流ファン」を認めざるを得なくなり、「控えめ」なエールを送ったのではないのでしょうか。