2023年2月

 日々の出来事や写真、過去の小文、その他諸々を取り上げます。
 表題はホームページのタイトル候補だったのですが、咽(喉の上の方)、喉(喉の下、首のあたり)ということで落選しました。しかし因業に音が同じなので、わがままでかたくなな性格の自身にふさわしいと思い表題に復活させました。

経絡秘孔を突く

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 小生は20代から50代初めまで肉体労働を続けてきた結果、腰や肩の強さには絶対の自信があり、肩痛や腰痛とは無縁でしたが、寄る年波には勝てず60代半ばから、徐々に左肩の調子が悪くなり、正月が明けた頃、ひどい肩痛に襲われ、腕が全く上がらなくなってしまいました。

 仕方なく接骨院に行き、診察を受けると五十肩だと言うので、

 「自分は60代なのに五十肩と言うのは変でしょう」

と反論すると、

 「五十肩と言うのは通称で、本来の病名は肩関節周囲炎と言い、完治まで時間がかかる」

とのこと、

 その日から「マッサージ+針治療」を週2回受け、3週目になると、ようやく肩の高さまで、腕が上がるようになりましたが、痛みと筋肉のこわばりのためそれ以上は上がりません。

 2月入って最初の診察日、担当の鍼灸師が月末で辞めたため、系列の院から助人に来た20代の鍼灸師に初めて診てもらいました。

 彼は十分触診をした上で、

 「今までは激痛がある方の肩の表側に針を打っていましたが、場所を変えて、肩の裏側に打ちましょう」

と肩の裏側に針を打ったところ、針先に小さな爆発があったような未経験のインパクトがあり、

 「これは効いたぞ」

実感した時、

 「さあ、上げてみましょう」

との指示があり、腕を上げてみると・・・。

 何の痛みも抵抗もなく、予期せぬ勢いで「ビヨーーン!!」と上がったので、体が右に傾き、椅子から滑り落ちそうになり、診療室中に聞こえるような声で、

 「あがったよ!!」

と叫んでしまいました。

 小生は腱鞘炎になった時とパソコンの打ち過ぎで首が回らなくなった時にも鍼灸治療を受けましたが、こんな劇的な効果があったのは初めてだったので、

 「針がこんなに効くとは思いませんでした」

と褒めると、

 「五十肩のツボは表と裏にありますが、裏のツボの反応が良かったですね」

と冷静に答えるのを聞きながら「北斗の拳」の

 「経絡秘孔を突く」

という言葉を思い出しました。

 ケンシロウは触診もせず目視だけで「経絡秘孔」を突き、相手を絶命させたり復活させたりする恐るべき能力を持っています。

 彼が鍼灸院を開けば「神灸師」などとほめたたえられ、患者が蝟集し、門前市をなすことは間違いないでしょう。