最近の若者は海外に行かない?

 3年前、会社で台湾に慰安旅行に行くことになり、参加者のパスポート所持の確認が行われました。すると所持者は40代以上の小父さん社員、小母さん社員ばかりで、「20代の社員のほとんどがパスポートを持っていない」=「外国に行ったことがない」という現実を知り、改めて驚きました。そういえば、最近結婚した若い同僚も新婚旅行先は国内でした。

 私の頭が大量の毛で覆われていた昭和の終わりから平成の初め頃は、円高による工場移転やバブル景気による海外投資の拡大により、メーカーも商社も怒涛のように海外に進出しました。私の同級生で外国の支店や工場の駐在員になった人も多くいます。そうした時代の雰囲気に後押しされ多くの若者が日本を抜け出しましたし、新婚旅行先もほとんどが海外でした。

 しかし、私は「今の若いもんはみんな内向きになりおって」と現状を悲憤慷慨するつもりは全くありません。「みんなが行くから自分も行こう」とばかりに大量出国した時代と比べると、今、そんな熱気はありませんが、きちんとした目的意識を持って海外に行く若者はいつの時代でもちゃんといるからです。

 そして、中島みゆきの名曲「時代」の歌詞のように時代は回り、巡るものです。今の若者たちが老人になる頃は、怒涛のような海外進出が復活し、誰もが海外に新婚旅行に行く時代になっているかもしれません。