綾部山梅林散策

 1月末日、北野町の播州物産店で買物をした際、商品棚の一隅に「綾部山梅林」の入場割引券があるのが目にとまり、いただいて帰りました。
 2月15日、JR元町駅から網干駅まで進行し、南口ロータリーからシャトルバス乗車、バスは南に向かい旧市内に入ると狭い道沿いにある「山陽電車網干駅」に停車、ここから西に方向を変え、田んぼに囲まれた国道を進み、低い山の手前で左折、山沿いの道をしばらく行くと梅林の入口に無事到着。
 コロナ禍の影響が出始めていたせいか土曜日にもかかわらず、専用駐車場に車は20台程、観光バスの姿もなく、登坂を山上に向かう人も僅かで、沿道に並ぶ売店の売子さんも手持ち無沙汰な様子です。
 しばらく歩いて到着した「入場ゲート」に隣接する「切符売場」の窓口に入場料と一緒に割引券を出し「案内パンフ」と「甘酒引換券」をもらって、ゲートを通ると山肌に広がる梅林が目に入ってきました。
 時期が早いせいか、五分咲き程度の開花で、枝間に遊ぶ鶯の囀りも「ホー」「ケキョ、ケキョ」と不十分で、初音には程遠い有様です。
 それでも梅見を楽しみながら山道をゆるゆると登り、見晴らしのいい茶屋で接待を受けた甘酒を啜りながら見下ろすと、梅林の中程に「蔓草が巻き付き打ち捨てられた枯木群」や「沢山の切り株が残る空き地」が見えました。 
 茶屋を出て、しばらく山道を進んだところにある園内食堂で「牡蠣うどん」を食べていると窓の外のステージでは大沢フルーツ・フラワーパークから来た「猿回し」さんが、
「先週は週末の雨で土・日続けて中止になり、つらかった」
などと話しながら、僅かな観客を前に興行しています。

 小生の子供の頃(昭和40年代)当時県内で随一だった「室津梅林」の名声を一気に吹き飛ばした「綾部山梅林」の勢いはすごいもので、同所を訪ねる慰安旅行や日帰りツアーの件数も目を見張るほどでしたが、現状を目の当たりにすると「盛者必衰、かつての栄光は何処に」という思いを持たざるを得ません。
 なにやらものさみしい遊山になってしまいましたが、山を下りる際に園内の残る古墳2基を見学できたことは幸いでした。
 帰ってから調べてると2基の古墳は、弥生時代の墳丘墓である「綾部山39号墳」から始まり、古墳時代後期まで続く県内でも著名な「綾部山古墳群(40基)」の一部だったのです。
 立て札等の表示がなく見落とし古墳もたくさんあったようなので「来春は午前中に来園し、古墳分布図で確認しながら梅見しよう」と思っています。