「天声人語」を読んで思うこと

 フィットネスクラブのマシンで走り込みをして、サウナで汗を流すと、火照った体を冷やしながらロビーにある「朝日新聞」を読むのが、最近の習慣になっています。

 28歳までいた実家では「朝日新聞」をとっていたので、「記事」も「天声人語」も読んでいました。しかし、滋賀県内に就職が決まり家を離れたので、読む機会がほとんどありませんでした。。

 久しぶりに「天声人語」をじっくり読んでみると、その構成にはいくつかのパターンがあり、その中で特に多いのは以下であることが分かったので、紹介しますと、

 ①まず、文頭で執筆者が「世界文学」や「故事来歴」「専門知識」「加齢経験」(若者達が生まれる前の話やイベント)」などの知識を披露します。

 ②次に、文頭言と関連のある「最新の新聞記事」へ話を「展開」します。しかし、この「展開」はかなり強引で「牽強付会」に思えることが多いのです。

 ③最後に上記を踏まえたうえで国民に「教訓」を垂れます。

と、なります。

 読後の印象としては「文章の流麗さ」や「まとまり」がなく作りは粗く感じますし、「①自慢」の段階で次の「②最新の新聞記事」への展開が分ってしまい、「興醒めすること」も少なからずあります。

 元記者である執筆者は「5W1H」を踏まえ正確で分かりやすい文章を書くトレーニングばかり積んできたので、「感動的な文言」や「美しくバランスがとれた文章構成」は苦手なのでしょう。

 また、新聞記者は「民主的で」「品行方正」であらねばならぬという「強迫観念」から己を常に「聖人君子」の立場に置くため、読者に対する意見はどうしても「説教調」になってしまいます。

 「天声人語」をもっと「麗しい作品」にする唯一の方法をお教えしましょう。それは「プロのコラムニスト」に執筆を頼むことです。