「祝福されたお金」と「呪われたお金」

 財布から旅立ってゆくお金には「祝福されたお金」と「呪われたお金」の二種類があります。

 「スポーツ観戦」「コンサート・演劇鑑賞」や「グルメツアー」などの経費は、「楽しみ」の対価であり、喜んで支払われるので「祝福されたお金」です。

 このお金には支払った人の「明るい気持ち」が乗り移っているので、お金を受け取った「芸能人」や「有名レストランのオーナー」が「豪邸」や「高級車」を自慢しても腹を立てる人はいません。

 反対に「呪われたお金」の代表は「義務なので仕方なく払う」税金でしょう。「祝福されたお金」に「明るい気持ち」が乗り移るように「呪われたお金」には「納税者の恨み」が「憑依」しています。

 納税者は「恨み心」を持っているので、税金の使い道については、いつまでも厳しく目を光らせていて、「公的機関」や「独立行政法人」などで少しでも「無駄遣い」や「使途不明金」が発覚すると「税金を返せ、責任者を処分しろ」という非難の声が一斉に上がります。

 「呪われた金を糧として豊かに暮し」「老後も天下りで安泰に過ごしている」官僚達も納税者の目は気になるので、「豪邸」や「高級車」を所持していても自慢することはなく、表向きは慎ましやかに暮らしています。

 「わが国は素晴らしい国なのに税金がこんなに少なくては申し分けない。もっと税金を払います」と国民が競い合って余分に納税するような国なら税金も「祝福されたお金」に入るでしょう。

 しかし、もしそんなことが行われている国が実際あったとすると、そこには「ファシズム」の影があるように思われます。「税金が呪われたお金」でいる国の方が健全なのかも知れません。