今治の生活(5) 今治の食材(果物編)

 「はるみ」、「きよみ」、「せとか」と聞いて何を想像しますか? 県外の方はほとんどが「女性の名前」と思われるでしょう。では「紅まどんな」は?「紅芋」の品種でしょうか? いえいえ違います。これらはみんなミカンの品種です。この中で最も高額なのは「紅まどんな」で芦屋市のデパートでは、なんと1個1,500円で売られていました。

 滋賀県にいた頃は、ミカンの品種といっても「温州みかん」「八朔」「伊予甘」「でこぽん」くらいしか知らなかったのですが、さすがはミカンの本場だけあって種類も豊富です。

 そして、9月に「極早生みかん(青ミカン)」が店頭に現れてから、翌5月の「伊予晩甘」「夏ミカン」まで、町中にミカンの香りがあふれます。私は甘さ控えめで、「さくっとした」口触りの「はるみ」が好きです。また、今治沖の瀬戸内海に浮かぶ岩城島のレモンは一流レストランのシェフからも注文が来るブランドレモンとして有名です。

 ミカン以外の果物では、甘くておいしい「菊間スイカ」が有名ですが、知る人ぞ知るのが「古谷(こや)の梨」です。今治市古谷地区でわずか20軒の農家が作っているブランド梨で、柔らかく、甘みが強いのが特徴です。生産量が少ないので市外の人にはあまり知られていませんが、贈答用にもされる高級梨です。

 当地では他にもイチジク、枇杷、キウイ、柿などいろいろな果物が栽培されていますが、私は西条柿(細長い柿)を買ってきて、しばらく放置し、熟し切ったところをスプーンで掬って食べるのがなによりも好きです。

 魚と同様、果物も種類が豊富で値段も安いので、今治は「フルーツ天国」と言ってもよいと思います。