令和2年11月9日(木)!!
昨年来、ポートアイランドエリアの釣行では「バリコ1尾」「ガシラ2尾」「チャリコ1尾」と惨憺たる成績ながら、なんとか「ボウズなし」の命脈を繋いできましたが、前週、神戸空港の市民広釣場に釣行した折、極細の小アジが6尾とツバクロ4尾しか釣れなかったことが、凶事の前兆だったでしょうか、平成21年6月7日以来、11年3箇月余続けてきた「ボウズなし記録」がついに途切れました。
当日はポートアイランド北公園防波堤の先端というサビキ釣には最高のポイントで、14:30から16:30までひたすらアミエビをまき続けましたが、魚信はありません。
餌がなくなり納竿し、ボウズの空しさをかみしめながら帰り支度をして、発つ前にもう一度、海を見るとそこには美しいブルーの水面がありました。
昭和末から平成の初め頃、9月になるとポートアイランド周辺には沢山のアジ・サバが回遊してきて、どこの岸壁でもサビキを下せば鈴なりの魚が掛かりました。
しかし、当時の海は茶褐色に濁り、水面には船舶廃油の帯が何本も浮かんでいて、低層を泳ぐアジは食べられても、上層のサバは油臭く食べられる代物ではなかったのです。
下水道の整備も進まず、工場排水の規制もゆるかったことから、海水の栄養も充分で、プランクトン数が多く、赤潮が度々発生しながらも、魚影は濃かったのですが、平成も終盤になると、下水道の敷設が進み、生活汚水も浄化され、船舶廃油も排出規制が厳しくなったので、海はきれいになりました。
反面、海水中の栄養分が低下し、プランクトン数も減少したため魚影も少なくなったのでしょう。
「ボウズ」という厳しい現実に直面したおかげで、現状を認識し、来し方を思い出し「ボウズを遁れることばかり考えていた未熟な自分を反省する」ことが出来ました。
釣りの楽しみは「得物獲得」だけではありません。釣場周辺の風光を愛で、時間の移ろいを感じ、環境の変化を知ることも重要な要素です。
新年からは、真摯な気持ちで釣りに向き合うことを決意、当日を持って本年の「釣納め」とし、島を後にしました。