子供の頃は何ともなかったのに、成人してから「あんこ」が苦手になりました。「アンパン」「まんじゅう」「汁粉」を食べると「胸やけ」が起きるので、茶の湯教室では「あんこ」の入った御菓子は他人に譲るか持って帰るようにしていました。また、「甘酒」でも同じように「胸やけ」がおきるようになりました。
さて、この「胸やけ」はあることがきっかけで収まってしまうのですが、それはまたの機会にお話しするとして、今回は別の方向に話が展開します。
ある時、叔父夫婦がヨーロッパ旅行に行き、「ザッハホテル」の「ザッハトルテ」を実家に御土産として持ってきました。名前だけ借用した国産の「ザッハトルテ」とは違い、本家本元、正真正銘の銘菓なので、早速家族全員で切り分けていただくことにしました。
実は私はチョコレート系の御菓子についてはどんなに甘いものを食べても「胸やけ」を起こしたことはなかったので、フォークで大きめに切って口に入れました。しかし噛むと「ジャリ、ジャリ」と音がします。「これはもしかして砂糖!!」と思う間もなく舌の感覚が麻痺するぐらいの強烈な甘味が口いっぱいに広がりむせそうになったので、紅茶で薄めてなんとか飲み込みましたが、「あんこ」や「甘酒」の時よりもはるかに速く「胸やけ」の症状があらわれてきました。
たとえチョコレート系であってもそこにふくまれる「超大量の砂糖」は胸やけの原因になるんだということが身にしみて分かりました。