鉄道の話(1) 思い出の蒸気機関車

 私は生粋の「鉄男」ではありませんが、寝台列車や地方の鈍行に乗るのが大好きなので「乗り鉄」の資質はあるかもしれません。子供の頃は普通の男の子と同じように蒸気機関車が大好きでしたし、電車に乗る時は一番前に立って景色を見ていました。今回は私の鉄道初体験を御披露いたします。

 

 私が物心ついた頃なので、昭和30年代の後半期、自宅に近い東灘貨物駅では貨車の入れ替えに蒸気機関車が使われていたので、私が「機関車が見たいと」父にねだると自転車の後ろに乗せて連れて行ってくれました。

 普通は貨物駅北側引込線の奥にある小さな機関庫にSL(多分C11だったと思います)2両が並んで停まっていましたが、貨物駅に出てきて汽笛を鳴らしながら貨車の入れ替作業を行っていることもたまにありました。

 当時、伊丹にいた叔父のアパートに行くと、客車を引いたSLが福知山線を走ってゆくのをベランダから見ることが出来ました。SLは身近にいたのです。

 しかし、昭和39年の東京オリンピックの頃を境にSLは阪神地区から姿を消して行き、45年の万博の頃、舞鶴の親戚の家へ遊びに行った時、北吸駅近くの踏切で貨物列車を引くSLを見かけたのが、SL定期列車を見た最後になりました。