鉄道の話(4)一枚物の時刻表

 中学生の頃(昭和40年代後半)夏休みに舞鶴市内の親戚宅に泊まりに行くと玄関に「西舞鶴駅と東舞鶴駅」の列車の発着を記した「一枚物時刻表」(写真参照)が貼ってあったのが、このタイプの時刻表の初見でした。昭和50年代に家族旅行で泊まった城崎温泉の旅館のフロント横にも同じ形式の「城崎駅時刻表」が貼られていて、その後も各地で見かけましたが、疑問に思っていたが2点ありました。

 ①どこで売っているのか?売っていないとしたらどこで配られているのか?

 ②どこが刊行しているのか?スポンサーはいるのか?

 見かけるたびに疑問を持つのですが、なぜか、いつも関係者に質問する機会を逸してしまうのです。しかし特に重要なことでもないので、調べることもなく、しばらくすると忘れてしまう。その繰り返しがずっと続いてきました。ところが今治に来たおかげで、疑問が一挙に解決する出来事に遭遇しました。

 まず①については、予讃線のダイヤが改正された当日の新聞に今治駅の「一枚物時刻表」が新聞広告と一緒に折り込まれていました。値段はただで、折込広告と同じ扱いでした。

 ②については、右上に「今治駅監修」と書かれていることからJR四国が刊行にかかわっていることは間違いありませんが、時刻表の中央部を見て下さい。そうです、スポンサーはタクシー会社だったんですね。確かに駅とタクシーはセットですもんね。

 タクシー会社がスポンサーということからでしょうか、JRと競合する長距離バスやフェリーの時刻表も堂々と掲載されています。しかし、タクシーと競合する路線バスの時刻表は、やはり掲載されていませんでした。

 私は前職の頃、仕事で日本各地に調査に出かけ、1か所に長期間逗留したこともありますが、新聞は取っていませんでした、今治に単身赴任して、初めて地方誌を購読し、

たまたまダイヤ改正があったので、長年の疑問が解決したというわけです。

大したことではありませんが、その夜はひっそりと祝杯をあげました。

                                                                                 一枚者時刻表(今治駅)