世の中に絶えて隣のなかりせば大津の人はうれしからまし
大津市は戦後合併を繰返しどんどん大きくなり今では琵琶湖の南部から西部まで広がっています。世界遺産比叡山延暦寺、坂本の門前町、園城寺、石山寺、浮御堂(サスペンス劇場の最後の場面でよく出てきます) 、大津宮跡、近江国庁跡などなどの名所旧跡も多く、市内の国宝の件数も歴史都市鎌倉の15件の倍以上、36件もあります。
市内の北郊には比良山、蓬莱山のようにトレッキングに最適な1,000~1,100mクラスの山々が連なっています。蓬莱山頂にはスキー場があり、山奥には熊もいます。琵琶湖ではヨット、カヌー、ウインドサーフィン、釣りなどのマリンスポーツが楽しめ、水泳場(琵琶湖は海ではないのでビーチのことを水泳場といいます)で泳ぐ時も淡水なので、シャワーなしで服を着て帰ることが可能です。
まさに「鎌倉、湘南海岸」に「スキー場」「熊」がプラスされたような大変魅力ある市で、今の場所以外にあれば華やかに光り輝く大人気の市になったことは間違いありません。しかし、残念ながらド派手な隣人のせいでこの素晴らしい市がちっとも目立たないのです。その隣人はJR大津駅からの電車の乗るとわずか9分の所にいます。9分というと東京駅から山手線で北なら鴬谷、南なら田町・品川間までの所要時間と同じです。
この隣人は日本を代表する観光地で、昨年度は観光客の評判が世界一になりました。国宝は208件もあり、大学や専門学校も多く、伝統文化から先端科学までなんでも揃っていて、芸妓さんや舞妓さんもいるとにかく派手な市ですから、どんなに大津市が頑張ってもかすんでしまいます。
こんな隣人がいない鎌倉市の皆さん! あなた方は本当に幸せです。