グレープフルーツの謎(その2)

 数年間「グレープフルーツが葡萄のようにたわわに実っている写真」を求めて、ネットや関連資料を渉猟してみたのですが、なぜか個体の写真はあっても「生っている写真」は1枚も見つかりません。

 仕方なく「房状」と想定して考えることにしました。まさか、デラウエアのように「一房100個以上」の実が集積していることはないでしょう。実の少ない巨峰の「一房30個前後」を例にとると、グレープフルーツの実1個の重さは250~450gなので、「小型品からなる房」でも総重量は7.5㎏以上になります。こんな重いものがぶら下がる枝はかなりの太さと丈夫さが必要で、枝を支える幹もしっかりとした大木なのでしょう。

 ナンカ(ジャックフルーツ)のように幹から直接生っているかもしれません。しかし、そうなると幹に接する実が重圧で変形して売物にならず、収穫物の歩留まりが悪いように思えます。

 房状でなく、一枝に沢山生っていたとしても、枝や幹にはやはり相当な太さと丈夫さが必要です。また国産のミカンは2~3回摘果することで果実の肥大、大きさの標準化を図りますが、一枝に沢山ついていると個体に栄養が十分いきわたるかどうかも心配になります。

 そんな疑問を忘れたり思い出したりしながら何年も過ぎた頃、久しぶりでネット検索をすると、グレープフルーツが生っている写真があっさり見つかったのです!

 実は房状ではなく、一枝に集まって生っていることが分かりました。しかし個数は7~8個しかなく、これを「葡萄」に見立てるには、かなり無理があります。件のおっさんが見たら「どこが葡萄に似てるんや!!」新たな怒りを爆発させることは必定でしょう。最初に葡萄に見立てた人の意見を聞いてみたいものです(終わり)