今治城の堀は釣り禁止なので外海では逃げ隠れしている魚も人目を気にすることなく悠々と泳いでいますが、中でも多いのがチヌで尺以上を何尾も数えることができます。
堀端のバス停でバスを待っていた時、食べていたパンをちぎってチヌの群れに投げてみました。すると1尾がパンの切れ端に近づいてしばらく見つめていましたが、そのうち鼻で何度かつついた後、咥えるとすぐに吐き出しました。
しばらくしてまた咥えましたが、吐き出します。3回目も咥えて吐き出し、4回目にしてようやく飲み込みました。パンを与えてから5分以上も経過していました。
私は「魚信があったら煙草を一服つけろ」というチヌ釣りの格言を思いました。なるほどチヌ釣りに早合わせは禁物なのです。
10月のある日、サビキ仕掛けで鯵釣りに出かけました。4時過ぎまでは、ぽつぽつだったのに、夕まづめを迎えると突如入れ食いになり、1時間ほどで21尾の五目釣りになりました。
中でも25㎝を超えるのチヌが3号のサビキに喰いついてきたのには、びっくりしました。あの慎重なチヌの同族とは思えない無分別さ、サビキには魚種を問わず魚を狂わせる恐るべき働きがあるようです。