日々の出来事や写真、過去の小文、その他諸々を取り上げます。
表題はホームページのタイトル候補だったのですが、咽(喉の上の方)、喉(喉の下、首のあたり)ということで落選しました。しかし因業に音が同じなので、わがままでかたくなな性格の自身にふさわしいと思い表題に復活させました。
バリ点描 その1 風の香り
先日、往復の機内も含めて6日間(当初は5日間だったんですが、伸びた理由は後述します)バリに観光旅行に行ってきたので、思い出をつらつらと記したいと思います。
さて、小生が初めて訪れた東南アジアの国は、フィリピン・マニラでした。40年前、陶磁器調査のために国立博物館に一週間通いましたが、朝夕の往復路でスリにあったり、若者の蛮勇で治安の悪いエリアに探検に行ったところ、偶然会った日本人に「ここから、すぐ立ち去るよう」にきつく言われ、あわてて逃げ帰ったり・・・。
危険な日中?を過ごし、夕方、安ホテルに帰って、レストランでくつろぐのですが、そこの客は大半が米兵なので、東南アジア気分は味わえず・・・。
その後、遺跡調査やシンポジュウムに参加するため何度もインドネシアに入国しましたが、スタッフとして役割を果たさねばならない責任感から、風土に親しみ、地元文化をゆっくり楽しむ余裕はありませんでした。
現職生活を終えると、観光旅行に行くようになり、バリも2回訪れました。前回、前々回も多分「今回のような気分」を感じたと思うのですが、帰国するとそこそこ忙しいパート生活の中で忘れていたのでしょう。
3度目のバリに着き、空港を出て、重い香料とヤシ油の入り混じった強い香りが、風に運ばれて来ると「ああ、これだ・・これこそが、自身をこの地に引き寄せるのだ。この風に包まれるために何度もここを訪れるんだ」と、たちまち、懐かしさが甦り、陶然として・・・迎えの車に乗ることも忘れてしまうほどでした。(続く)