おまじない

 亡父(大正13年生まれ)の話によると叔父(亡父の弟で昭和5年生まれ・故人)は子供の頃、度々「ひきつけ(熱性けいれん)」をおこしたのですが「ひきつけ」は風邪や腹痛と違いすぐ収まってしまうので、近所の医院に連れて行くことはなく、父親(私の祖父)が「ひきつけ除け」の「おまじない」を作ったそうです。

 その作り方はというと、

 生卵の「尖っていない方」に箸でつついて、直径1㎝くらいの穴を開け中身を出し「尖っている方」の真中に糸を通した長い針で穴を開け、下の穴から針先が出るくらいまで刺し通し、針先をつまんで下の穴から抜き出して針を外し、糸の端に玉を作り、穴の上から引っ張っり、糸が止まったところで完成。

 それを軒先にぶら下げると「ひきつけ」が収まるそうで、何個もつるされていたようですが、はたして効果はあったのでしょうか?

 ところで、小生が中学生の頃(昭和40年代)犬の散歩に行くと町内の辻に時々赤飯の団子が、数個供えられていることがありましたが、当時の愛犬は元野良犬で拾い喰いをする習慣があり、団子を目ざとく見つけると猛ダッシュで近づき食べようとするので、慌ててリードを引っ張りやめさせていました。

 父に団子が置かれた理由を聞くと、

「この団子は、麻疹になった子供が早く治るように親が作って供えたものだ」

と教えてくれました。

 上記のことは、医療事情が悪く、迷信に頼っていた昔のこと話と思うかもしれませんが「アマビエ」などというものが流行している現在もおまじないに頼る市民心理に大きな変化はないように思いますがいかがでしょうか。