「目標管理」とは「人事管理の一環」として「年度初めに自己目標を設定し、年度末に達成率について自己採点をして提出する制度」です。それに類することは、昭和時代からあったようですが、小生の勤めていた会社で制度化されたのは10年位前ではなかったかと思います。
この制度は「営業部門」であれば「売り上げ1億円」「新規顧客獲得数50人」など「研究・開発部門」でも「特許申請年間5件」「製品実用化10件」など「実数入りの自己目標」が立てられますが、「事務職」や「現場担当者」の場合は、はっきりした「目標」が立てにくいという欠点があります。
「事務職」の場合、例えば「事務の簡素化、効率化を推進する」という目標を立てても、大抵の会社では既にかなりの効率化が進んでいて「切り詰める」ところがあまりありません。
「現場担当者」も「経費は安く、施工期間は短く」という目標は立てられても、実際は天候やトラブルによって工期が延びることが多い上に、小生の会社のように年度途中での「異動」が頻繁に行われるところでは「引継ぎ」や「関係部署への挨拶」など無駄な時間が多くなり「期間」の短縮は夢のまた夢でした。
それでも「工程が予定通り進捗している現場」に所属している間はいいのですが、そこから「救いようがないほどのひどい状態の現場」に「異動」させられてしまうと「目標管理」など吹っ飛んでしまいます。上記二者では「自己研鑽」(資格取得、セミナー出席)や「礼儀」(日々の挨拶、顧客の接遇)を「自己目標」とするしかありません。
ところで、小生の会社の「管理シート」には一般的な項目以外に「長期的目標」という別項目が追加されていました。内容は「5年後、10年後の自分はどうなっているかを考えて、長期的な目標を立て、それらを記入せよ」ということです。
小生は退職年度の初め「管理シート」を持ってきた上司に「年度末で退職すること」を告げました。「退職理由」や「退職後」のことを聞かれた後、「シート」の記入の話になると「今回も一般項目と長期的目標の記入をするように」と言います。「今年度でやめるのに長期的目標もないでしょう」と小生はあきれて拒否しました。
ところが、その時の上司の言葉は、
「当社では、年度末に自己都合退職する場合、退職年の2月頃に退職願を書いてもらう慣例がある。今、君がいくら上司に退職を告げてもそれは正式なものではない。退職願を出して決裁が下りるまでは、君は次年度以降も当社に在籍するとみなされている。当然、長期的目標は書いてもらうことになる」
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皆さん。どう考えても変な会社だと思いませんか?