鉄道の話(3) エコ列車

 新年 あけましておめでとうございます。

 12月は、世間の皆様よりはるかにゆったり暮らしている私にしてもそれなりに忙しかったようで、新作アップの間が随分開いてしまいました。久しぶりの拙文です。どうぞ、御笑覧下さい。

 

 先日、民放テレビのワイドショーで「衝突や追突の時、一番前の車両の危険度が高いので、電車はなるべく後ろの車両に乗った方が良いです」などと、のたまわっている交通評論家がいました。

 予讃線の昼間の「普通電車」や「普通気動車」は、大抵「1両編成ワンマン運転」なので、評論家氏の言う通りなら、列車の後ろにぶら下がればいいのでしょうか?こういう場合「(東京で)電車に乗るときは・・・・」と地域を限定して発言すべきで、とにかく都会中心の話しかできない人は困ったものです。

 なお、都会の人たちに申し上げますと「1両ワンマン普通」が「無人駅」に停車した時、乗客は「1両目後方の扉」から乗車し、整理券を取ります。目的駅に着くと運転手に乗車賃を払い、その「横の扉」から下車します。たまに走っている「2、3両編成の普通電車(気動車)」でも無人駅に停車する場合「1両目」の扉しか開閉しないので御注意下さい。

 さて、予讃線では夜更けになると驚くべき「普通電車(気動車)」が運行されます。なんと先頭車の車内灯だけ点灯し、後続車両は真っ暗なのです。そして、2両目への連絡通路は固く閉じられています。なぜこんな電車を走らせているのでしょうか?その理由として以下のことがあげられます。

①夜更けになると、翌朝のラッシュに備えるため車庫のある始発駅に車両を移動させる必要があるが、予讃線では夕方のラッシュ時以降、運行本数がぐっと減るので、始発駅に向かう「普通電車(気動車)」は必然的に多数連結車になる。

②夜更けなので、乗客は少なく、昼間と同じ1両で十分対応できる。

③2両以下を点灯・使用すると、照明の寿命が短くなり、床や座席も汚れるので、余分な車両はシャットアウトし、1両だけの使用で運行した方が合理的である。

 そんなわけで、「エコ列車」は今日も夜更けの伊予路をひっそりと走り続けています。