昨年10月、東灘区の「うはらホール」で「熱田神宮 巡回講演」が実施されることが新聞に掲載されたので、早速応募すると入場券が当たりました。
当日、開演時間(18:30)の少し前に会場に着くと、500席以上ある会場は、ほぼ満員の盛況で、名古屋弁の案内係が、入場者をさばくのに大わらわの様子。
定刻になると司会者が登場し、講演責任者の挨拶の後、いよいよ始まりです。
最初のプログラムは雅楽「越天楽」ですが、司会者によると、
「熱田神宮では、巫女も雅楽や舞楽の練習を行い、今回も楽人として演奏する」
ということで、女性楽人も交えた少人数の楽人により演奏されました。
次は「巫女さん」数名が本来の装束で登場し、楽に合わせて「三種の神器 草薙剣」をテーマにした神楽「みつるぎ」が優雅に舞われます。
三番目は公演のメイン「杉山 直氏によるヤマトタケルノミコトの神話朗読」。
スクリーンに映されるさまざまな映像と共に感情豊かに語られる「日本武尊の一代記」を聞き、忘れかけていた古事記の関係記述を思い出しました。
公演の最後を飾る舞楽「納曽利」の上演前、司会者から、
「本日は巫女が稚児舞によって行うので、面は付けず、花飾りを付けた天冠をかぶります」
という説明があったので「簡略パターンか」とやや失望しましたが、小柄でかわいらしい二人の女性が演じる舞は「軽やか」そのもので実に魅力的です。
小生は (小野摂龍楽頭が鞨鼓を掻いていたので、昭和の終わりか平成の初め頃)「雅亮会」の公演でこの舞を鑑賞したことがありますが、その時は、男の舞人が牙の付いた恐ろしげな面を付け、重々しく勇壮に舞っていました。
しかし「納曽利」は「瑞兆とされる龍が、天空で楽しげに舞う様子」をあらわす舞ですから、当然浮遊感があっていいはずで、今回の女性の舞人が演じる「ふわふわと飛んでいるような舞」もまたその本質を示しているのではないでしょうか。
舞楽の奥深さを堪能する素晴らしい時を過ごすことが出来、満足して帰宅しました。