咽郷雑記

 日々の出来事や写真、過去の小文、その他諸々を取り上げます。
 表題はホームページのタイトル候補だったのですが、咽(喉の上の方)、喉(喉の下、首のあたり)ということで落選しました。しかし因業に音が同じなので、わがままでかたくなな性格の自身にふさわしいと思い表題に復活させました。

バリ点描 その5 ケチャ

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 1972年「芸能山城組」というグループが「バリ以外で初めてケチャを上演した」というニュースがあり、テレビでも上映されましたが、にぎやかなだけで良さが分からなかったので、ツアー中にケチャ上演も期待しませんでした。

 当日、各地の史跡を廻り、夕方、車が到着したのはSERAVA BUDAYAという客席に1000人以上入りそうな大きな民族芸能劇場ですが、観客は僅か14人というさみしさ!

 ツアーガイドに聞くと「夏休みが終わって団体客旅行が減り、観客も激減した」とのこと、シーズン中の駐車場は観光バスで溢れ、客席も満員だったようです。

 さて、上演時間が来て、舞台中央の燭台に火が燈され、御祈りが捧げられると、アーティスト達が舞台に登場。

 四方に陣取った男性メンバーが唱える「チャッ、チャッと」いう掛け声に合わせてインドの叙事詩「ラーマーヤナ」が演じられますが、メンバーの位置は固定されているわけではなく、物語展開の緩急、大小のリズムに従いイワシの群れのように動きます。

 内容は、悪人ラワナにラーマー王子の元からさらわれてしまったシーター姫を、サル軍団の援軍を得てと王子が救い出すまでの物語で、途中、おどけ物の猿が客席に来て英語で話しかけたりもしました。

 「ラーマーヤナ」が終わると、二人の少女による優雅で美しい「天使の舞」があり、最後に舞台に火が放たれ、少年がそれを飛び越えたり、火渡りをする舞をもってステージは終了。  

 配られた日本語の解説パンフのおかげで内容もよくわかり大満足、バリの文化は奥が深いようです。